ほしいものが、ほしいわ。

コピーライティング:言葉で人の行動を変える技術

最近よく、商品やサービスのキャッチコピーを考える機会があります。楽しいです。

昔は社内で、お笑い芸人風のキャッチコピーを作るのも楽しんでいました。仕事中にこんなのばっかり作ってました。

でもね、白ってクリーニングが大変なの

「ほしいものが、ほしいわ。」

私が一番好きなコピーは、糸井重里氏の「ほしいものが、ほしいわ。」です。

1988年の西武百貨店の新聞広告です。

書いてある言葉はとてもシンプルです。「おいしい食べ物はおいしい」のように、言ってることも当たり前のことなのかもしれません。でも、私にはすごく刺さるんです。

実はこのコピーの直前には次のような言葉があります。

ほんとうにほしいものがあると
それだけでうれしい
それだけはほしいとおもう

「ほしいものが、ほしいわ。」糸井重里

ほしい「もの」自体がほしいのではなく、「ほんとうにほしいものがある」という「こと」(状態)がうれしい、とあります。そしてこの「うれしい」気持ちをほしいと思う、と。

たとえばどこにでもある、ありふれたクレーンゲームのぬいぐるみも、大好きな人が自分のために取ってくれたものだったとしたら、そのぬいぐるみはとても大切で特別なぬいぐるみになります。

「もの」がほしいのではなく
その「もの」を通して感じる「うれしい」がほしい
そう思えるような「もの」が、ほしい

このコピーの広告ビジュアルはとてもシンプルなのに、でもみんながハッとします。
誰だって、誰でもいいからキスがしたいんじゃなくて、本当に好きな人とキスがしたいんです。

「自分が心から欲しいと思う、本当に欲しいものってなんだろう」

このコピーとビジュアルデザインには、そんなことを考えさせられます。

刺さるコピーを作りたい

「ほしいものが、ほしいわ。」は多くの人の心を刺したようで、ネットではたくさんの意見が書かれています。さすが糸井氏。

私も、そんな言葉が選べたらなぁ。
ああ、人の心を動かすような言葉を書きたい。
私がほしいものは、きっとそういうことだ。

最近わたし、プロデューサーとの会話で、「(この商品のコピーで)刺したい」「(この会社の社長の心を)ズブズブ刺したい」「(人の心を)めちゃくちゃ刺したい」と、「刺したい」ばかり言ってて、(物騒な人だな…)と思われていないか心配です。

この記事を書いた人

WEBディレクターmot project
webデザイナー・コーダー・ライター|グラフィックデザイナー|イラストレーター|ウェブデザイン講座講師|ワードプレス講座講師
Adobe Illustrator、Photoshop、InDesign、Dreamweaver
HTML、CSS、Javascript、PHP、WordPress