ペイ・フォワード

昔、新安城駅の近くの学習塾でアルバイトをしてました。mot projectのWEBディレクターです。新安城駅、ずいぶん変わりましたよね。時の流れを感じます…。

こんなにきれいになりました(画像:Wikipediaより引用)

さて今回は全然デザインに関係ないですが(関係ないのに書くんかい)、大学時代のアルバイトで印象的だった出来事のお話です。

大切にされるということ

バイト先の塾の教室長は生徒だけでなく、講師もとても大切に扱ってくれまして(塾業界において「講師」は「商品」なので、そういう背景もあったのかもしれませんが)。

授業が終わった後、残業で夜遅くなる時は「ほな、みんなで飯、行こか」「先生らの好きなもん頼みぃや」と、私たちにご飯を食べさせてくれるのでした。

そしてサッと払ってくれる

教室で「こうしたい」と言ったことは何でもやらせてもらえたし、「この教材が欲しい」「この備品が欲しい」と言えば何でも買ってもらえたし、とにかく私たちの話をよく聞いて、意見を尊重してくれる教室長でした。

どうしてこんなによくしてくれるんですか?

ある日、不思議に思って聞いたことがあります。
「どうしてアルバイトにこんなによくしてくれるんですか?」と。

「俺が昔、バイト先の上司や先輩にしてもらったことをしてるだけや」

教室長は私からの見返りを期待していたのではなく、かつて自分が受けた恩を私たちに与えていただけなのでした。

(ああ、いつか私にも部下や後輩ができたら、うんと大切にしよう)と強く思ったものです。

あの日の出来事には

それから数年が経ち、入社した編集会社の仕事で「あなたの座右の銘を教えてください」という企画がありました。

アンケートの中に「私の座右の銘は『ペイ・フォワード』です」という回答がありました。

ペイ・フォワード(pay forward)
ある人物から受けた親切を、また別の人物への新しい親切でつないでいくこと

あ、あの日の出来事には「ペイ・フォワード」という名前がついていたんだ…と、静かにうれしく思ったのでした。

見返りを求めず、収益も上がらない奉仕はビジネスではないのかもしれません。でも、少なくとも私は「ペイ・フォワード」の気持ちを持って仕事をつないでいきたい、と思うのです。

私はもうたくさんのものを与えてもらったので、今度は次に続いていく人たちの利益になる何かを与える仕事ができたらいいなぁ。


(余談)

教室長、生まれは三重県の人で、変わった関西弁だなぁといつも思ってました。「そんなん、できやんやん」とか。やんやん。

当時、全国トップクラスの売上を叩き出した教室長は、あれからすぐに栄転してしまったけど、今でもあの塾の前を通り過ぎるときは教室長の変な関西弁と、奢ってもらった食べ物を思い出します。(食べ物かい)

駅前の中華料理屋の中華飯とかね

この記事を書いた人

WEBディレクターmot project
webデザイナー・コーダー・ライター|グラフィックデザイナー|イラストレーター|ウェブデザイン講座講師|ワードプレス講座講師
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